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佐藤 治夫
JNC TN8410 2001-003, 40 Pages, 2001/01
岩石などの単一層拡散媒体に対する透過拡散実験のシミュレーション及び解析のためのプログラム(TDROCK1.FOR)を開発した。プログラムは、科学技術計算に適しているPro-Fortranにより作成し、解析法として比較的簡単な陽解差分法を用いた。解析では、これまでに取扱うことができなかったトレーサセル中の溶質濃度の時間変化を入力条件とすることができ、トレーサセルから測定セル側への溶質の拡散に伴うトレーサセル中での時間に対する濃度の減少、媒体空隙水中の濃度分布及び測定セル中の溶質濃度の経時変化などを計算することができる。また、入力条件として、両セル中の溶液体積や試料の直径及び厚さをパラメータとすることもできる。本プログラムは、既に拡散係数(見掛けの拡散係数、実効拡散係数)が求められているケースについて測定セル中の溶質濃度の経時変化について検証した結果、実測結果をよく説明することができた。このことから、本解析プログラムが実際の解析やシミュレーションに適用できることが確認された。本報では、透過拡散実験における理論的取扱い、解析のためのモデル、ソースプログラム例及びマニュアルについて説明する。
Dietze, K.
JNC TN9400 99-089, 20 Pages, 1999/11
核燃料サイクル開発機構の炉心核特性解析手法JENDL-3.2/SLAROM/CITATION/JOINT/PERKYを用いて、ルッセンドルフ研究所の高速・熱中性子炉心RRR/SEGで行われた積分実験の解析を行った。このルッセンドルフの実験の一部として、中性子束及び随伴中性子スペクトルの異なる5つの体系において、純粋な核分裂生成物及び構造材についてのサンプル反応度の測定が行われた。この実験では、中性子捕獲や散乱の効果に対して大きな感度を持つような随伴中性子スペクトルとなるよう設計がなされている。今回の解析で得られた中性子スペクトル及び随伴中性子スペクトルは、以前に欧州解析手法JEF2.2/ECCO/ERANOSにより解析された結果と良く一致した。また、炉中心のサンプル反応度のC/E値についても検討している。両解析手法による結果には差が見られ、これらの差は、核データライブラリ、計算コード、自己遮蔽効果の取扱方法の違いにより生じたものである。誤差範囲を超えて違いの見られる結果についての議論も行っている。
飯田 孝夫*
JNC TJ6400 2000-008, 58 Pages, 1999/03
人形峠のウラン採掘場跡地での土壌中のラドン挙動を調べるために、地中ラドン連続測定装置およびサンプリング法による土壌中ラドン濃度測定と蓄積法による土壌方面からのラドン散逸率の測定を行った。4台の地中ラドン連続測定を行った。4台の地中ラドン連続測定装置で10cm,20cm,30cm,40cmの深さのラドン濃度を測定した。時間変動はほとんどなく、10Cmの深さで約5000Bq・m-3から40cmの深さで約15000Bq・m-3であった。サンプリング法では15cmの深さで約15000Bq・m-3を得た。蓄積法による測定された土壌表面からのラドン散逸量は0.360.68Bq・m-2・S-1であった。土壌中でのラドンの動態・挙動を知るには、土壌中のラドンの拡散係数、土壌の乾燥密度、湿潤密度、土粒子密度、真比重、間隙率、含水率、ラジウム否有量は重要なパラメータである。試作した土壌中ラドン拡散係数を測定した。名古屋大学の土壌のラドン拡散係数は(1.610.09)10-5m2S-1、福井県の土壌のラドン拡散係数は(8.680.23)10-7m2S-1と(1.530.12)10-5m2S-1であった。人形峠の土壌の拡散係数は(2.990.32)10-6m2S-1から(4.390.43)10-6m2S-1と比較的そろっていた。この拡散係数は土壌の含水率、空隙率に大きく依存していて、場所による違いはそれほどないという結論を得た。これらの物理パラメータを用いて、土壌が2層構造をなしている場でのラドンの輸送を解析的手法と数値計算法で評価した。数値計算結果は比較的実測値に近い値が得られた。覆土によるラドン散逸率の低減効果については、覆土の厚さを2mにしたとき、解析解ではおよそ1/4に減少するのに対して、数値計算では3/5に減少する。覆土によるラドン散逸率の減少は大きくない。
佐山 隼敏*; 鈴木 和彦*; 島田 行恭*
PNC TJ1612 95-001, 39 Pages, 1995/03
近年、石油・化学コンビナートが大型化、複雑化し、その安全性の問題が、社会的に大きな関心を集めている。特に、ユニオンカーバイド社ボパール工場でのメチルイソシアネートガス漏出事故、また、チェルノブイリ原子力発電所での事故による大量の放射性物質の漏出事故は、まだ記憶に新しい。したがって、実用的な安全解析手法を開発し、確立する必要がある。本報告書は、原子力発電所、化学プラントに広く適用されているシステム安全解析手法とその応用に関する研究の現状について調査し、纏めたものである。また、システム潜在危険の同定(ハザード同定)手法としてオペラビリティ・スタディがある。本稿では、この手法の問題点とともにシステム工学に基づく改良オペラビリティ・スタディの基礎となる考え方を示す。この方法では、主要装置の変数を入力と出力に分類したが、これによりプラントのずれを明確に定義することができる。オペラビリティ・スタディの手順を確立することにより、この手法を原子力燃料再処理施設へ適用することが可能になる。さらに、計算機によるオペラビリティ・スタディ自動解析システムの開発が可能となる。
田中 皓*
PNC TJ1211 93-007, 64 Pages, 1993/02
MASTRA、及びGEOCHEMを各試験を通じて実施される人工バリアから岩盤への核種移行、及び地下水の水質形成に関するモデル開発のために必要とされる以下の調査及び試験を行った。1.MASTRA(1)解析解の調査・数値解析のベンチマークを行うために、ピグフォードモデルのなかから回転楕円体近似モデルを選定した。(2)解析解のコーディング及び解析解と数値解との比較計算 (1)で選定したモデルのコーディングを行い、平成3年報告書のニアフィールド水理解析の体系で、FEMWATER/WASTE-PNCとDTransu2D-ELとのベンチマークを行った。(3)数値解によるMASTRA実験体系での詳細解析及び比較検討 (2)で検証されたDTransu2D-ELを用いて、MASTRA試験体系での濃度プロファイルの広がり、模擬トレーサの放出フラックスの解析を行った。(4)現象を忠実に評価するためのモデル化の概念検討・MASTRA試験装置におけるセンサー及び密度流の影響について今後の検討方針を提示した。2.GEOCHEM(1)鉱物の反応速度に関する基礎データの取得・解析の基礎となる反応速度データの取得方法を検討するとともに、代表的な造岩鉱物を対象に浸出試験を行い、反応速度データを取得した。(2)EQ6コードに関する調査・検討・化学反応を速度論的に考慮することが可能な地球化学コードEQ6により、(1)で取得したデータ及び既存のデータを用いて鉱物-水反応による水質解析を行った。(3)化学反応-水理・物質移行の連成現象解析の検討・化学反応-水理・物質移行の連成事象解析のためのアルゴリズムについて調査・検討を行い、(1)のデータ及び既存のデータを用いた予察計算を行った。